寝る時の暖房はつけっぱなし？消す？おすすめの設定温度や切るタイミングを解説
冬の夜、布団に入る時に暖房をどうするか迷ったことはありませんか？「つけっぱなしにすると電気代が心配」「でも寒くて眠れないかも」「消すタイミングがわからない」——そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
実は、睡眠中の暖房の使い方は、快適な睡眠の質と健康、そして家計にも大きく影響する重要なポイントなんです。適切な室温を保つことは良質な睡眠に欠かせませんが、一方でつけっぱなしにすると乾燥や電気代の増加が気になるところ。かといって完全に消してしまうと、明け方の冷え込みで目が覚めてしまうことも。
この記事では、睡眠の専門家や省エネの観点から見た、寝る時の暖房の最適な使い方を詳しく解説します。
寝る時におすすめの室温・湿度
快適な睡眠を得るためには、室温と湿度を適切に保つことが重要です。睡眠時の理想的な室温は18〜20℃前後とされており、この温度帯が最も深い眠りを得やすいと言われています。暑すぎると寝苦しさを感じて目が覚めやすくなり、逆に寒すぎると体が冷えて睡眠の質が低下してしまいます。特に冬場は、部屋を暖めすぎないよう注意が必要です。
また、ヒートショックのリスクを避けるためにも、室温は最低でも16℃は保つようにしましょう。急激な温度差は血圧の変動を招き、特に高齢者や持病のある方には危険です。
一方、湿度については40〜60%の範囲が理想的とされています。冬場は暖房によって空気が乾燥しやすく、湿度が低下すると喉や肌の乾燥を引き起こすだけでなく、風邪やインフルエンザなどのウイルスも活発化しやすくなります。加湿器を使ったり、濡れたタオルを室内に干したりして、適度な湿度を維持することで、健康的で快適な睡眠環境を整えることができます。
寝る時の暖房はつけっぱなし？消すべき？
寝る時の暖房については、つけっぱなしと消す（またはタイマーを使う）の両方の選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。 最終的には、ご自身の体質、寝室の状況、電気代などを考慮して決めるのが良いでしょう。
エアコンをつけっぱなしにしておくメリット・デメリット
まずは、エアコンをつけっぱなしにしておくメリットを見ていきます。
【メリット】
- 温度が一定に保たれ、夜中に寒さで目覚めにくい
- 明け方の冷え込みによる起床時のストレスがない
エアコンをつけっぱなしにする最大のメリットは、室温を一定に保てることです。夜中に急激な冷え込みがあっても室温が安定しているため、寒さで目が覚めてしまうことを防げます。睡眠中の中途覚醒は睡眠の質を大きく低下させるため、朝までぐっすり眠りたい方にとっては重要なポイントです。
また、明け方は一日の中で最も気温が下がる時間帯ですが、エアコンをつけっぱなしにしておけば、起床時に布団から出る際の寒さによるストレスも軽減できます。特に冷え性の方や高齢者、小さなお子さんがいるご家庭では、安定した室温環境を維持できる安心感があります。
一方で、以下のようなデメリットもあります。
【デメリット】
- 電気代が高くなりやすい
- 過度な乾燥を引き起こしやすい
つけっぱなしにすることで電気代が高くなりやすいのが気になるところです。一晩中稼働させれば、当然ながら消費電力は増加します。
また、エアコンを長時間使用すると室内の空気が乾燥しやすくなり、喉や肌のトラブルを引き起こす可能性があります。乾燥した環境はウイルスの活動も活発にするため、風邪をひきやすくなることも。加湿対策を怠ると、朝起きた時に喉がカラカラになっていたり、肌がカサついたりといった不快感を覚えることもあるでしょう。
エアコンをタイマーで切るメリット・デメリット
続いて、エアコンをタイマーで切るメリットを見ていきます。
【メリット】
- 電気代を節約しやすい
- 乾燥対策が比較的容易
エアコンをタイマーで切る最大のメリットは、電気代を節約できることです。就寝後の数時間だけ暖房を使用し、その後は自動的に停止するため、一晩中つけっぱなしにするよりも消費電力を大幅に抑えられます。特に電気代が気になる方にとっては、家計に優しい選択肢と言えるでしょう。
また、エアコンの稼働時間が短くなることで、室内の乾燥も比較的抑えられます。長時間の連続運転による過度な乾燥を避けられるため、加湿器を併用すれば喉や肌への負担も軽減しやすくなります。朝起きた時の不快な乾燥感が少ないのも嬉しいポイントです。
一方で、以下のようなデメリットもあります。
【デメリット】
- タイマーが切れた後の急激な冷えで睡眠が浅くなる可能性がある
- 深夜〜明け方の最も寒い時間帯に寒さを感じやすい
タイマーが切れた後に室温が急激に下がってしまうと、その温度変化によって睡眠が浅くなってしまう可能性があります。人間の体は睡眠中も温度変化を敏感に感じ取るため、急な冷え込みが中途覚醒の原因になることも少なくありません。
特に深夜から明け方にかけては一日の中で最も気温が低くなる時間帯です。この最も寒い時間帯にエアコンが止まっていると、寒さで目が覚めてしまったり、布団の中で体を丸めて寝返りが打ちにくくなったりと、睡眠の質が低下する恐れがあります。冷え性の方や寒がりの方にとっては、特につらい状況になるかもしれません。
睡眠の質を高める暖房の使い方
睡眠の質を高めるための暖房の使い方には、温度と湿度、そしてタイマー設定が非常に重要です。
快適な睡眠環境を整えるための具体的なポイントは以下の通りです。
いつから暖房をつけるべき？
暖房をつけるタイミングは、就寝の質を左右する重要なポイントです。理想的なのは、布団に入る30分ほど前から暖房をオンにして、あらかじめ寝室を温めておく方法です。この時間があれば、室温が理想的な18〜20℃程度まで安定し、快適な睡眠環境を整えることができます。冷え切った部屋でいきなり布団に入ると、体が温まるまで時間がかかり、なかなか寝付けないこともあるため、事前の準備が大切です。
ただし、布団に入る直前に部屋を暖めすぎないよう注意しましょう。室温が高すぎると、人間の体は深部体温を下げて眠りにつくことができず、かえって寝苦しさを感じてしまいます。暑すぎる環境は寝汗をかく原因にもなり、睡眠の質を低下させてしまうのです。適度な温度で部屋全体をじんわりと温めておくことが、スムーズな入眠と快適な睡眠につながります。
タイマー設定を利用する
タイマー機能を上手に活用することで、電気代を抑えながらも快適な睡眠環境を保つことができます。おすすめの設定方法は、入眠後3〜4時間後にエアコンが切れるようオフタイマーをセットすることです。この時間帯は深い眠りに入っている時間で、人間の体温も自然に下がっているため、暖房が止まっても比較的影響を受けにくいとされています。布団の中の温もりも十分に保たれているため、急激な冷え込みを感じにくいのです。
さらに、起床の1時間ほど前にエアコンが再び稼働するようオンタイマーを設定しておくと、明け方の冷え込みにも対応できます。目覚める頃には部屋が適度に温まっているため、布団から出る時の寒さによるストレスも軽減されます。このように、オフタイマーとオンタイマーを組み合わせることで、睡眠の質と省エネを両立させた賢い暖房の使い方が実現できるのです。
電気代を抑えたいときは運転モードを切り替える
電気代を抑えたい場合は、エアコンの運転モードを上手に切り替えることが効果的です。多くのエアコンには「省エネ運転」や「おやすみモード」といった機能が搭載されており、これらを活用することで消費電力を抑えながら快適な室温を維持できます。おやすみモードは、就寝中の体温変化に合わせて自動的に温度を調整してくれるため、無駄な電力消費を防ぎながら心地よい睡眠環境を保ってくれます。
ただし、住環境によっては運転方法を工夫する必要があります。外気温が非常に低い寒冷地や、古い住宅で断熱性が低い寝室の場合は、タイマーで切ってしまうと室温が急激に下がりすぎてしまうことがあります。
このような環境では、むしろ朝まで一定温度での連続運転が推奨される場合もあるのです。自宅の断熱性能や地域の気候を考慮しながら、最適な運転モードを選択することが、快適さと省エネを両立させるポイントと言えるでしょう。
冬に寝る時の寒さ対策８選
冬に快適に眠り、睡眠の質を高めるための寒さ対策は、暖房だけに頼らず「冷気を入れない」「熱を逃がさない」「直接体を温める」という3つの視点から総合的に行うことが重要です。
ここでは、実践しやすい「冬に寝る時の寒さ対策8選」をご紹介します。
「敷くもの」を見直す
マットレスや敷布団の上に、起毛素材や吸湿発熱素材の敷きパッドや敷き毛布を敷くことで、体の下からの冷えを防ぐことができます。特に寒い場合は、敷布団の下、またはマットレスとベッドパッドの間に毛布やアルミシートなどを敷くと、床からの冷気を効果的に遮断できます。意外と見落としがちですが、背中側からの冷えは睡眠の質に大きく影響するため、敷くものの工夫は非常に重要です。
布団の順番と素材を工夫する
毛布を掛け布団、特に羽毛布団の内側、つまり体側に使うと、毛布のドレープ性が体に密着し、布団と体の隙間を埋めて暖かさが逃げにくくなります。また、綿、マイクロファイバー、フリースなどの暖かい素材の布団カバーやシーツに変えることで、布団に入った瞬間の冷たさが軽減され、快適に眠りにつくことができます。
寝る前の「予熱」グッズを活用する
湯たんぽや電気あんかを就寝30分前に布団の中に入れておくと、布団全体を人肌程度に温めることができます。冷たい布団に入るストレスがなくなり、スムーズに入眠できます。また、布団乾燥機はダニ対策だけでなく、冬場に布団全体を短時間で効率よく温めるのにも非常に有効です。
窓からの冷気を遮断する
窓は室内の熱が最も逃げやすい場所です。断熱カーテンや断熱シート、カーテンライナーを活用することで、窓からの冷気の侵入を防ぎ、室温の低下を抑えることができます。特に窓が大きい寝室や古い住宅では、この対策が大きな効果を発揮します。
暖房器具を賢く使う
エアコンのタイマー機能を活用して、入眠後3〜4時間で切れるように設定し、起床1時間前に再稼働させることで、快適さと省エネを両立できます。また、加湿器を併用することで、暖房による乾燥を防ぎ、喉や肌を守りながら快適な睡眠環境を維持できます。
床と壁からの冷え対策を講じる
ラグやカーペットを敷くことで、床からの冷気を遮断し、足元の冷えを防ぐことができます。また、ベッドや布団を外壁から離して配置するなど、家具の配置を見直すことで、壁からの冷えの影響を軽減することも効果的です。
「3つの首」を温める
血液が集中し、特に冷えやすい首、手首、足首を重点的に温めることで、全身の体温を効率よく保つことができます。ネックウォーマーやレッグウォーマー、手首を覆えるパジャマなどを活用すると、少ない対策で大きな効果が得られます。
入浴とパジャマを工夫する
就寝の1〜2時間前に入浴して深部体温を上げておくと、その後の体温低下とともに自然な眠気が訪れ、スムーズに入眠できます。また、パジャマは汗を吸いやすい綿やシルクなどの天然素材を選ぶことで、寝汗による冷えを防ぎ、朝まで快適に過ごせます。
睡眠の質を改善したいなら「ねむりの相談所」へ
冬の夜を快適に過ごすには、暖房の使い方だけでなく、寝具や室内環境の工夫も大切です。理想の室温18〜20℃を保ちながら、タイマー機能や省エネモードを活用することで、睡眠の質と電気代のバランスを取ることができます。また、敷きパッドや湯たんぽ、断熱カーテンなどの寒さ対策を組み合わせれば、より快適な睡眠環境が整います。ぜひ今回ご紹介した方法を試して、冬でもぐっすり眠れる夜を手に入れてください。
「ねむりの相談所」では、眠りの専門知識を有する専門スタッフが、お一人おひとりの睡眠のお悩みに寄り添い、最適な寝具選びや睡眠環境づくりをサポートいたします。体質や生活習慣に合わせたマットレスや枕、季節に応じた寝具のご提案まで、眠りに関するあらゆるご相談を承ります。
冬の寒さ対策に最適な寝具もご用意していますので、ぜひお気軽にご来店・ご相談ください。質の高い眠りで、毎日をもっと快適に過ごしましょう。
