羽毛布団はいつからいつまで使うもの?目安となる気温は何度から?収納方法も解説
羽毛布団の適切な使用時期について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。季節の変わり目になると「まだ羽毛布団は早いかな?」「もう片付けても大丈夫?」と迷ってしまうものです。
羽毛布団は保温性に優れた寝具ですが、使用する時期を間違えると暑すぎて寝苦しくなったり、逆に寒くて十分な睡眠が取れなかったりすることがあります。また、長期間使用しない間の適切な収納方法を知らないと、羽毛布団の品質を損なってしまう可能性もあります。
この記事では、羽毛布団を使い始める目安となる気温や時期、片付けるタイミング、そして羽毛布団の機能性を保つための正しい収納方法について詳しく解説します。快適な睡眠環境を整えるために、ぜひ参考にしてください。
羽毛布団の種類

羽毛布団は充填されている羽毛の量によって3つの種類に分けられ、それぞれ適した使用時期や用途が異なります。
本掛け
冬用の最も一般的な羽毛布団で、最も保温性が高いタイプです。シングルサイズで1.1kg程度の羽毛が充填されており、寒い冬でもしっかりと体を温めてくれます。
一般的に気温が15度以下になる11月頃から3月頃まで使用するのが目安です。ダウン率の高い高品質なものが多く、長時間の使用でも快適な睡眠環境を保てます。
合い掛け
本掛け布団と肌掛け布団の中間的な厚さの羽毛布団です。シングルサイズで0.7~1.0kg前後の羽毛が充填されており、春や秋の中間期に最適です。
気温が15度〜20度程度の時期、具体的には4月〜5月、9月〜10月頃の使用に適しています。本掛け布団ほど暖かすぎず、肌掛け布団では物足りない時期にちょうど良い保温性を発揮します。

肌掛け
最も薄手で軽量な羽毛布団です。シングルサイズで0.25kg〜0.5kg程度の羽毛が充填されており、夏場のエアコンによる冷え対策や、冬に本掛け布団と重ねて2枚使いする際に活用されます。
気温が20度以上の6月〜8月頃の使用が一般的で、軽やかな使い心地が特徴です。吸湿性と放湿性に優れているため、暑い季節でも蒸れにくく快適に使用できます。
羽毛布団はいつからいつまで使う?目安の気温とタイミング

羽毛布団を快適に使うタイミングは、室温を目安に判断するのが簡潔かつ適切です。理想的な寝床内環境である「温度33±1℃、湿度50±5%」に近づけるため、季節や室温に合わせて布団の厚みを調整します。
使い始める時期は室温15℃前後
羽毛布団を使い始める目安となる時期は、室温が15℃以下になった頃です。この気温になると、通常の薄い布団やタオルケットでは保温性が不足し、体が冷えて質の良い睡眠が取りにくくなります。15℃以下の環境では本掛け布団の使用が最も適しており、羽毛の優れた保温性によって体温をしっかりと保持してくれます。
地域によって気温の変化は異なりますが、一般的には10月下旬から11月上旬頃が羽毛布団への切り替え時期となることが多いでしょう。ただし、北海道や東北地方などの寒冷地では、10月中旬頃から使用を開始する場合もあります。
また、個人の体質や寒がりの程度によっても適切な時期は変わるため、室温を目安にしながら自分の体感に合わせて判断することが大切です。特に寒がりの方や高齢者の方は、本掛け布団に加えて毛布やブランケットを併用することで、さらに快適な睡眠環境を作ることができます。
使い終える時期は室温25℃前後
羽毛布団を使い終える時期は、室温が25℃前後に達した頃が目安となります。この気温になると羽毛布団の高い保温性が逆に暑さの原因となり、寝苦しさを感じるようになってきます。一般的には春の訪れを感じる3月から4月頃がこの時期に該当し、日中の気温が徐々に上がり始めることで夜間の室温も上昇していきます。
羽毛布団から他の寝具への切り替えを検討するサインとしては、朝起きたときに汗ばんでいる、夜中に暑くて目が覚める、布団を蹴飛ばしてしまうといった症状が挙げられます。このような寝苦しさを感じるようになったら、合掛け布団や薄手のタオルケットなどへの切り替えを考える良いタイミングです。
ただし、春は寒暖差が激しい季節でもあるため、急に気温が下がる日もあります。完全に片付ける前に数日間様子を見て、安定して暖かい日が続くようになってから収納することをおすすめします。地域や住環境によっても適切な時期は変わるため、室温と体感の両方を参考にして判断することが大切です。
羽毛布団って夏はどうするべき?

冬用の厚手の羽毛布団は、気温が上がってくる梅雨入り前までを目途に適切に保管する必要があります。
- 室温を調整して使う
夏場でも羽毛布団を使い続けたい場合は、室内環境を適切に調整することで快適に使用することができます。特に効果的な方法は、エアコンや扇風機を活用して室温を25℃前後に保つことです。この温度であれば羽毛布団の保温性が過度に働くことなく、適度な暖かさで心地よい睡眠を得ることができます。
羽毛布団は天然素材の特性により優れた調温機能を持っているため、室温が適切に管理されていれば夏場でも蒸れにくく快適です。特に肌掛け布団タイプの羽毛布団であれば、軽量で通気性も良いため夏場の使用により適しています。また、冷房による体の冷えすぎを防ぐ効果もあり、健康的な睡眠環境を維持できます。
ただし、電気代の節約や環境への配慮を考える場合は、タオルケットや麻素材の薄手の布団など、夏用の寝具に切り替える方が実用的です。羽毛布団を年中使用するかどうかは、個人の好みや生活スタイル、住環境に合わせて判断することが重要といえるでしょう。

- 羽毛布団はしまい夏用掛け布団に変える
夏場になり室温が25℃を超えるようになったら、羽毛布団は適切に収納し、夏用の掛け布団に切り替えることも検討しましょう。羽毛布団の高い保温性は夏の暑い夜には不適切で、使い続けると体温調節がうまくいかず、寝苦しさや睡眠の質の低下を招いてしまいます。
夏用の掛け布団としては、通気性と吸湿性に優れた素材を選ぶのがポイントです。綿素材やリネン素材の薄手の掛け布団、タオルケット、ガーゼケットなどが適しています。これらの素材は汗を吸収しやすく、熱がこもりにくいため、夏場でも快適な睡眠環境を保つことができます。また、エアコンを使用する場合は、冷房による体の冷えすぎを防ぐため、適度な保温性のある薄手の掛け物を選ぶことも大切です。
羽毛布団を長期間使用しない夏の間は、適切な方法で収納することで品質を保持できます。秋になって再び使用する際に、ふんわりとした羽毛本来の機能を維持するためにも、夏場の正しい保管が欠かせません。
羽毛布団を長持ちさせるための正しい収納方法

羽毛布団を長持ちさせるための正しい収納方法は、「湿気」と「羽毛の潰れ」を防ぐことが最も重要です。
天日干しまたは布団乾燥機で湿気を取り除く
羽毛布団を長期間収納する前に重要な工程が湿気の除去です。羽毛は天然素材のため湿気を嫌う性質があり、湿った状態で収納してしまうとカビの発生やダニの繁殖、さらには羽毛の劣化を招く原因となります。これらのトラブルは羽毛布団の機能性を著しく低下させ、場合によっては使用できなくなってしまう可能性もあります。
収納前の乾燥方法としては、まず布団カバーを外してから、風通しの良い日陰で十分に干すことが基本です。直射日光は羽毛や側生地を傷める可能性があるため、陰干しが推奨されます。晴れた湿度の低い日を選んで、4〜6時間程度しっかりと干し、布団全体から湿気を完全に飛ばします。また、布団乾燥機を使用する場合は、羽毛布団対応の設定で適切な時間と温度で乾燥させることが重要です。
注意点として、布団たたきなどで強く叩く行為は絶対に避けましょう。羽毛は非常にデリケートな素材のため、強い衝撃を与えると羽軸が折れたり羽毛が潰れたりして、保温性や弾力性が失われてしまいます。表面のホコリを取りたい場合は、軽く手で払う程度にとどめることが大切です。
汚れを落とす
羽毛布団を長期間収納する前には、まず汚れをしっかりと落とすことが重要なステップです。使用期間中に付着したシミや汚れがある場合は、収納前に必ずクリーニングに出すようにしましょう。羽毛布団には見た目には分からなくても、汗や皮脂、ダニの死骸やフケなどの汚れが蓄積されています。
これらの汚れが染み込んだまま収納してしまうと、湿気の多い保管環境で雑菌が繁殖し、不快な臭いの原因となります。さらに深刻な場合には、カビが発生して羽毛布団そのものを使用できなくなってしまう可能性もあります。汗や皮脂は時間が経つと酸化して黄ばみの原因にもなるため、放置すればするほど汚れは取れにくくなってしまいます。
羽毛布団を清潔に保ち、長く愛用するためには、定期的なクリーニングが推奨されています。特に小さなお子さんがいるご家庭や、汗をかきやすい方、アレルギー体質の方は、頻繁にクリーニングに出すことを検討すると良いでしょう。収納前に汚れや臭いが気になる場合は、迷わずクリーニングに出すことで、次のシーズンも気持ちよく羽毛布団を使用することができます。
関連記事:布団クリーニングの料金目安は?保管方法についても解説

カバーを外す
羽毛布団を収納する前の重要な準備として、まずは掛け布団カバーを外すことから始めましょう。長期間使用した掛け布団カバーには、汗や皮脂、ホコリなどの汚れが付着しており、これをそのままにして収納してしまうと、カビや雑菌の繁殖、嫌な臭いの原因となってしまいます。
カバーを外したら、必ず洗濯機で丁寧に洗浄してください。普段の洗濯よりもしっかりと汚れを落とすため、洗剤の量を適量使用し、可能であれば漂白剤や除菌効果のある洗剤を併用することをおすすめします。洗濯後は完全に乾燥させることが重要で、生乾きの状態で収納すると湿気によるトラブルの原因となります。
清潔に洗濯されたカバーは、羽毛布団とは別に保管するか、次のシーズンまで他の寝具用品と一緒に収納しておきます。この一手間をかけることで、羽毛布団本体の清潔さを保ち、長期保存中の品質劣化を防ぐことができるのです。カバーと本体を分けて管理することは、寝具を長持ちさせる基本的なメンテナンス方法といえるでしょう。
羽毛布団を収納するときのコツ

羽毛布団を長持ちさせるための収納のコツは、以下の3つです。これらのコツを守ることで、羽毛布団のふかふかとした感触と高い保温性を長く保ち、大切に使い続けることができます。
通気性の良い収納ケースを選ぶ
羽毛布団の収納には、通気性を重視したケース選びが欠かせません。不織布製の収納ケースや綿素材の布製ケースなど、空気の流れを妨げない素材を使用することで、収納中も適度な換気が保たれます。
ビニール製の密閉性の高いケースは避けるべきで、湿気がこもりやすく羽毛が湿ってカビや臭いの原因となる可能性があります。不織布ケースは軽量で扱いやすく、羽毛布団専用の収納袋として市販されているものも多いため、長期保存に最適です。
平積みで保管する
羽毛布団の最も重要な特性であるふんわりとした「ロフト(かさ高)」を維持するため、平積みでの保管が基本となります。他の重い荷物の下に置いたり、ぎゅうぎゅうに圧縮したりすると、羽毛の弾力性が損なわれてしまいます。
収納棚の一番上や専用スペースを確保し、羽毛布団の上には軽いもの以外は置かないようにしましょう。この方法により、次のシーズンに取り出したときも羽毛本来のふんわり感と保温性を保つことができます。
湿気の少ない場所に保管する
羽毛布団の天敵である湿気を避けるため、保管場所の選択は慎重に行う必要があります。押し入れやクローゼットの上段など、床から離れた高い位置は湿気がこもりにくく理想的です。地面に近い場所や北側の部屋、結露しやすい窓際などは避けましょう。
また、除湿剤を一緒に置いたり、定期的に扉を開けて換気を行ったりすることで、より良い保管環境を維持できます。
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※本記事で使用されている画像はイメージです。
※本記事で掲載されている商品は、時期によって取扱いがない場合もございます。ご了承ください。
