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ロングスリーパーとは?寝すぎてしまうのはなぜ?メリットや老けないと言われる理由

「8時間寝ても足りない」「休日は12時間以上寝てしまう」といった経験はありませんか?一般的に理想とされる7〜9時間の睡眠では物足りず、10時間以上の長時間睡眠を必要とする人たちは「ロングスリーパー」と呼ばれています。

短時間睡眠で活動できるショートスリーパーとは対照的に、ロングスリーパーは長い睡眠時間を確保することで健康を維持しているのが特徴です。しかし、現代社会では「寝すぎは良くない」「怠惰だ」といった偏見を持たれがちで、長時間睡眠を必要とする自分に悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

実はロングスリーパーにも体質的な要因があり、適切な睡眠時間を確保することでさまざまなメリットが得られることが分かっています。また、「ロングスリーパーは老けない」という説もあり、美容や健康面での注目も集まっています。

この記事では、ロングスリーパーとはどのような人なのか、なぜ長時間睡眠が必要なのか、そのメリットや美容との関係について詳しく解説していきます。自分の睡眠パターンを理解し、健康的な生活を送るための参考にしていただければ幸いです。

ロングスリーパーとは

ロングスリーパーとは、健康を維持するために長い睡眠時間を必要とする体質の人を指します。明確な定義はありませんが、一般的には1日に9時間以上、または10時間以上の睡眠が必要な人とされています。

ロングスリーパーの定義

ロングスリーパーとは、一般の人と比較して長めの睡眠をとれば、日中の眠気を生じることなく活動できる体質を持った人のことを指します。

ただし、ロングスリーパーは明確な医学的定義が確立されているわけではありません。睡眠障害の国際分類では「ロングスリーパー」として登録されており、中枢性過眠症のカテゴリーに属していますが、「孤発症状あるいは正常範囲の異型」に分類されているのが実情です。これは、一般的な人より睡眠時間が長く眠る必要があるからといって、必ずしも病気とは言えないという側面を持っているためです。

重要なのは、ロングスリーパーは睡眠が不足していなければ、日中の眠気や疲労感が生じることなく、普通の人と同じように活動できるという点です。つまり、体質的に長時間睡眠を必要とするだけで、適切な睡眠時間を確保できれば健康に問題はないとされており、病気というよりも個人の睡眠特性の一つとして理解されています。

ショートスリーパーとの違い 

ロングスリーパーとショートスリーパーは、必要な睡眠時間が正反対という点で大きく異なります。ショートスリーパーは6時間未満の短時間睡眠で日中に眠気を感じることなく活動でき、目覚まし時計なしで自然に目覚めることができるのに対し、ロングスリーパーは10時間以上の長時間睡眠を必要とし、それだけの時間を確保できれば同様に日中のパフォーマンスを維持できます。

両者に共通するのは、いずれも生まれつきの体質的特性であるという点です。真のショートスリーパーは遺伝的な背景が大きいと考えられており、子どもの頃から短時間睡眠の傾向があるように、ロングスリーパーも幼少期から長時間睡眠を必要とする傾向が見られます。睡眠のリズムには個人差があり、どういった睡眠が最適かは人によって異なるため、どちらも正常範囲内の睡眠パターンの変異として理解されています。

最も重要な違いは、それぞれに必要な睡眠時間を確保できているかどうかです。真のショートスリーパーは短時間でも十分に回復でき、ロングスリーパーは長時間睡眠により同様の回復効果を得られますが、どちらも自分に適した睡眠時間を取れない場合は睡眠負債を抱えることになります。

ロングスリーパーの人が長く寝てしまうのはなぜ?

ロングスリーパーの人が長く寝る必要がある理由は、完全には解明されていませんが、いくつかの要因が考えられています。ロングスリーパーは、必要な睡眠時間を確保すれば日中の活動に支障がないという点で、十分な睡眠をとっても日中に強い眠気が残る「過眠症」とは区別されます。

遺伝や体質

ロングスリーパーが長時間睡眠を必要とする理由には、遺伝的要因と神経伝達物質の分泌異常が関係していると考えられています。なぜ普通の人よりも長く眠らなければならない体質になっているか理由は明らかになっていませんが、長く眠るという体質は遺伝する傾向があり、家系的な要因もあるとされており、実際に親と子がともにロングスリーパーである家系も存在することから、睡眠時間に関わる遺伝子変異の可能性が示唆されています。

また、睡眠の質的な問題も大きな要因として挙げられます。睡眠に関わる重要な神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンなどの分泌量が一般的な人と比べて少ないことが原因で、眠りが浅くなったり、睡眠の効率が悪くなったりする可能性があります。

その結果、同じ時間眠っても疲労が十分に回復せず、脳と身体の回復に必要な深い睡眠を得るために、より多くの睡眠時間が必要になると考えられています。このように、ロングスリーパーの長時間睡眠は単なる怠惰ではなく、生理学的な必要性に基づく体質的特性なのです。

睡眠負債

現代社会では、本来ロングスリーパーではない人でも、平日の慢性的な睡眠不足により休日に長時間睡眠を取ってしまうケースが増えています。これは睡眠負債を解消しようとする身体の自然な反応で、平日に蓄積された睡眠不足を補うために、休日などにまとめて長く寝てしまう現象です。しかし、このような「寝だめ」は根本的な解決策にはならないとされています。

睡眠負債は借金のように蓄積されるものですが、週末の長時間睡眠だけでは完全に返済することは困難で、むしろ生体リズムを乱してしまう可能性があります。真のロングスリーパーは毎日一定の長時間睡眠を必要とするのに対し、寝だめによる長時間睡眠は不規則で質も悪く、翌週の睡眠パターンにも悪影響を与えがちです。

重要なのは、休日の寝だめに頼るのではなく、平日から適切な睡眠時間を確保する生活習慣を身につけることです。真の疲労回復には、毎日規則正しく質の高い睡眠を取ることが最も効果的であり、健康的な生活リズムの維持につながります。

睡眠の質の低下

ロングスリーパーが長時間睡眠を必要とする背景には、睡眠の質の低下が大きく関係していると考えられています。健康的な睡眠では、浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠がバランス良く交互に現れますが、ロングスリーパーの場合、浅い眠り(レム睡眠)の割合が増え、深い眠り(ノンレム睡眠)が相対的に減少する傾向があります。

深い眠りであるノンレム睡眠は、脳の疲労回復や記憶の整理、成長ホルモンの分泌など、身体と精神の回復において極めて重要な役割を果たしています。この深い眠りが十分に確保されないと、脳の疲労が効率的に回復せず、同じ回復効果を得るために結果として必要な睡眠時間が長くなってしまいます。

さらに、現代社会特有のストレスも睡眠の質に大きな影響を与えています。慢性的なストレスによって自律神経のバランスが崩れると、交感神経が優位になり睡眠が浅くなるため、十分な回復を得るためにより多くの睡眠時間を必要とするようになります。このように、睡眠の量だけでなく質の問題が、ロングスリーパーの特徴的な長時間睡眠の一因となっているのです。

ロングスリーパーのメリット

ロングスリーパーの大きなメリットは、長時間の睡眠により日中に蓄積されたストレスを効果的に解消し、心身を深くリフレッシュさせることができる点です。睡眠中には副交感神経が優位になり、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制される一方で、成長ホルモンが分泌され細胞の修復や再生が促進されます。ロングスリーパーはこうした回復プロセスに十分な時間をかけることで、精神的な疲労やストレスを根本的に解消することができます。

また、長時間睡眠により脳内の老廃物の除去も効率的に行われ、記憶の整理や定着も十分に進むため、翌日のパフォーマンス向上につながります。ロングスリーパーとショートスリーパーの心理面を比較した研究では、ロングスリーパーは創造性に富んでいるという報告もあり、長時間睡眠が創造的思考力の向上に寄与している可能性があります。

ただし、これらのメリットを享受するには、あくまで「質の良い睡眠」が取れていることが前提条件となります。単に時間が長いだけで浅い睡眠や断続的な睡眠では、十分な回復効果は期待できず、むしろ健康リスクを高める可能性もあるため注意が必要です。

ロングスリーパーは老けない・若く見えると言われる理由

ロングスリーパーが「老けない」「若く見える」と言われる理由には、長時間睡眠がもたらす美容と健康への効果が大きく関係しています。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、体の細胞の修復や再生が行われるため、十分な睡眠時間を確保することで肌のターンオーバーが促進され、細胞のダメージが修復されやすくなるとされています。ロングスリーパーは質の良い深い睡眠を十分に確保しやすいため、成長ホルモンの分泌が活発になり、肌の再生や修復がスムーズに行われると考えられています。

これにより肌のハリやツヤが保たれ、結果として「老けない」「若く見える」といった印象につながる可能性があり、免疫機能も睡眠中に整えられるため、病気にかかりにくい、体調を崩しにくいといった健康面でのメリットも生まれます。また、睡眠中には脳内の老廃物の除去も効率的に行われ、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌も抑制されるため、肌の老化を防ぐ効果が期待できます。

ただし、これらの美容効果を得るためには、あくまで「質の良い睡眠」が前提条件となり、単に時間が長いだけでは十分な効果は期待できません。

ロングスリーパーのリスク

ロングスリーパーが長時間眠ることには、以下のようなリスクが考えられます。

健康面で悪影響が出る

ロングスリーパーには美容や健康面でのメリットがある一方で、健康リスクも指摘されています。一部の大規模な疫学研究では、長時間睡眠が肥満、糖尿病、心血管疾患(心臓病、脳卒中など)のリスクを高める可能性が示唆されています。睡眠時間と死亡リスクに関する世界各国の研究のメタ解析では、適切とされる7~8時間の睡眠時間と比べて、9時間以上の長時間睡眠も死亡リスクが有意に高いことが報告されています。

特に高齢者においては、9時間以上の睡眠が習慣化すると、脳の老化が早まり、認知機能が低下するリスクが高まるという研究結果もあります。また、長時間同じ姿勢で寝ていることによる身体的な負担として、腰痛や肩こり、寝すぎによる頭痛なども報告されています。

ただし、これらのリスクは「長時間睡眠が直接的に病気を引き起こす」というよりも、「長時間睡眠が必要な背景に、寿命を縮める可能性のある何らかの病気や健康問題が隠れているサインである」と解釈されることが多いのが現状です。健康な体質的ロングスリーパーであれば、必要な睡眠時間を確保することで得られるメリットの方が大きいと考えられています。

日中の活動時間の減少する

ロングスリーパーが直面する最も現実的な問題の一つが、日中の活動時間の制約です。ロングスリーパーは日中に支障なく過ごすために他人より長く眠る必要があるため、一日当たりの活動時間帯が短くなるというデメリットがあるとされています。現代社会の多くは一般的な睡眠時間に合わせて設計されており、朝早くから活動することが求められるため、ロングスリーパーはこうした社会生活に適応しづらく、遅刻や集中力の低下につながることがあります。

夕方から夜にかけて開催されるイベントへの参加が困難になり、夕方以降の仕事や学校生活などに適応しにくくなるほか、家族や友人の予定と自分の都合を合わせられないという社会参加の機会損失も生じます。さらに深刻なのは、ロングスリーパーが十分な睡眠をとれない日が続くと、日中の強い眠気や倦怠感に悩まされ、本来のパフォーマンスを発揮できないことです。

目覚まし時計を使って起床することが困難で、朝起きられないことも生じるので、遅刻や欠勤をすることもあり、学生では不登校につながる場合もあり、社会生活への適応が課題となります。

ロングスリーパーで仕事中がつらい…改善方法はある?

ロングスリーパーは病気ではないため、有効な医学的治療法は確立されていませんが、睡眠の質を高めることで日中のだるさや眠気の改善が期待できます。

以下に、ロングスリーパーの人が仕事中のだるさを軽減するために試せる改善策を挙げます。

決まった時間に起きる・寝る

ロングスリーパーの改善において最も重要なのは、毎日同じ時間に起きる習慣をつけることです。体内時計は起床時間によって最も強くリセットされるため、就寝時間よりも起床時間を一定に保つことが体内リズムの安定につながります。

たとえ休日に寝坊してしまっても、起床時間をできるだけ一定に保つように心がけることで、平日と休日の睡眠リズムの差を最小限に抑えることができます。この習慣により、自然な眠気が適切な時間に訪れるようになり、無理に長時間寝てしまうパターンから抜け出すことが可能になります。規則正しい生活リズムは、睡眠の質向上にも寄与し、結果として必要以上の長時間睡眠を防ぐ効果が期待できます。

朝、太陽の光を浴びる

起床後すぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びることは、体内時計をリセットする最も自然で効果的な方法です。朝の光は体内でメラトニンの分泌を抑制し、覚醒を促すセロトニンの分泌を活発化させるため、自然な目覚めをサポートします。特に、起床後30分以内に2500ルクス以上の明るい光を浴びることが推奨されており、これにより体内時計が正しく調整されます。

曇りの日や冬場でも、できるだけ窓際で過ごしたり、光療法用のライトを活用したりすることで効果を得ることができます。この光のリセット効果により、夜間に適切な時間にメラトニンが分泌されるようになり、自然な睡眠サイクルの確立につながります。

適度な運動を行う

日中に適度な運動を取り入れることは、夜の睡眠の質を大幅に向上させる効果があります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を週3〜4回、1回30分程度行うことで、深いノンレム睡眠の時間が増加し、睡眠効率が向上します。運動により体温が一時的に上昇し、その後の体温低下が自然な眠気を誘発するメカニズムも働きます。

ただし、就寝3時間前以降の激しい運動は交感神経を刺激し、かえって睡眠を妨げる可能性があるため避けるべきです。朝や午後の時間帯に軽い運動を習慣化することで、体内時計の調整効果も期待でき、質の高い睡眠を効率的に取ることが可能になり、結果として必要な睡眠時間の短縮につながる可能性があります。

就寝前にリラックスタイムを設ける

寝る前の数時間は、心身をリラックスさせる時間として活用することが重要です。ぬるめのお湯(38〜40℃)にゆっくり浸かることで、体温の変化により自然な眠気を促すことができます。

また、読書や軽いストレッチ、瞑想、深呼吸などの静的な活動は、副交感神経を優位にし、睡眠への移行をスムーズにします。逆に、スマートフォンやテレビなどのブルーライトを発する機器の使用は、メラトニンの分泌を抑制するため避けるべきです。カフェインやアルコールの摂取も就寝3〜4時間前までに控えることで、睡眠の質向上につながります。

このようなリラックス習慣を毎日同じ時間に行うことで、脳と体が就寝の準備を始めるサインとなり、効率的な睡眠が期待できます。

寝室・寝具の環境を整える

快適な睡眠のためには、寝室の温度、湿度、光、音をコントロールすることが不可欠です。遮光カーテンやアイマスクで光を遮断し、耳栓や防音対策で騒音を軽減することも効果的です。

また、自分の体型や好みに合った寝具を使用することで、睡眠中の身体への負担を軽減し、睡眠の質を向上させることができます。マットレスの硬さ、枕の高さ、布団の重さなど、細かな要素も睡眠に大きな影響を与えるため、定期的に見直すことが重要です。快適な睡眠環境が整うことで、短時間でも質の高い睡眠を取ることが可能になり、長時間睡眠への依存を軽減する効果が期待できます。

睡眠の悩みがある人は「ねむりの相談所」へ

ロングスリーパーは単なる怠惰ではなく、遺伝的・体質的な要因によって長時間睡眠を必要とする個人の特性です。適切な睡眠時間を確保できれば健康上の問題はなく、むしろストレス解消や美容面でのメリットも期待できます。しかし、現代社会での時間制約や健康リスクも存在するため、睡眠の質を向上させる生活習慣の改善が重要です。規則正しい生活リズムと快適な睡眠環境を整えることで、より効率的な睡眠が可能になります。
もし長時間睡眠や日中の眠気にお悩みでしたら、睡眠科学の専門研修を修了した「スリープマスター」が、あなたの眠りを計測し可視化して、一人ひとりにフィットした上質な睡眠環境をご提案する「ねむりの相談所」へご相談ください。専用の活動量計や寝室チェックシステムで睡眠状態を詳しく分析し、寝具だけでなく寝室環境や睡眠習慣まで含めたトータルなアドバイスで、あなたに最適な睡眠スタイルを見つけるお手伝いをいたします。質の高い睡眠で、もっと充実した毎日を手に入れましょう。

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