ボンネルコイルマットレスとは?ポケットコイルとの違いやメリット・デメリットについて解説
マットレス選びで「ボンネルコイル」という言葉を耳にしたことはありませんか?スプリングマットレスの代表格であるボンネルコイルマットレスですが、「ポケットコイルとはどう違うの?」「自分にはどちらが合っているのだろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
ボンネルコイルマットレスは、複数のコイルスプリングが連結された構造で、面全体で体を支える特徴があります。比較的手頃な価格で購入でき、硬めの寝心地と優れた通気性で長年愛用されてきました。しかし、ポケットコイルマットレスとは構造や寝心地が大きく異なり、それぞれに独自のメリット・デメリットが存在します。
適切でないマットレスを選んでしまうと、期待していた快眠効果が得られないだけでなく、腰痛や睡眠の質低下の原因となることもあります。特にボンネルコイルマットレスは振動が伝わりやすいため、パートナーと一緒に寝る方には不向きな場合もあります。
この記事では、ボンネルコイルマットレスの基本構造から、ポケットコイルとの違い、具体的なメリット・デメリット、どのような方におすすめかまで詳しく解説します。あなたの睡眠スタイルに最適なマットレスを選んで、快適な眠りを手に入れましょう。
ボンネルコイルマットレスとは

ボンネルコイルマットレスとは、複数のコイルスプリングが連結されて一体化された構造を持つスプリングマットレスです。らせん状に巻かれた円錐形または樽形のコイル同士がワイヤーで横につながっているため、マットレス全体が一つの大きなバネのように機能し、面全体で体を支える仕組みになっています。19世紀後半に開発された歴史ある構造で、現在でも多くのマットレスメーカーで採用されています。
この連結構造により、比較的硬めで安定感のある寝心地が特徴で、畳の上に布団を敷いたような感覚に近いとも言われます。コイル同士の間に多くの空間があるため通気性に優れており、湿気がこもりにくく一年を通して快適に使用できます。
また、適度な反発力があるため寝返りが打ちやすく、体重の重い方でもしっかりと体を支えてくれます。製造工程が比較的シンプルなため、ポケットコイルマットレスと比較すると手頃な価格で購入できることが多く、コストパフォーマンスに優れたマットレスとして人気を集めています。

耐久性はどのくらい?
ボンネルコイルマットレスは約8〜10年の寿命とされており、ポケットコイルの約7〜9年と比べると耐久性が若干高くなっています。これはコイルが連結されている構造により耐久性が高いことが理由です。
ただし、メーカーやコイルの品質によって実際の寿命は変わる可能性があります。線径2.5mmのボンネル型スプリングコイルを採用した商品では、弾力性に優れ、体にとって程よい硬さを実現しており、長期間の使用に耐える設計となっています。
寿命はいつ?
マットレス表面にへこみが目立つようになったり、コイルの軋み音が気になるようになったり、起床時に体の痛みを感じるようになった場合が交換の目安となります。適切なメンテナンスを行えば、設計上の寿命まで使用できますが、使用環境や体重、使用頻度によって実際の寿命は前後します。
寝心地はどう?
面で体を支える特徴があり、体にとって程よい硬さがあるのでしっかりと堅く体をサポートしてくれます。硬めのコイルなので、寝返りが打ちやすく、体が沈み込みにくい構造をしているため、体格がよい人にもおすすめです。また敷布団の寝心地に近いため、敷布団からマットレスに移行する人にもおすすめとされています。
ただし、コイルが硬いことで体圧分散がされにくく、体格によっては腰や背中に負担がかかる場合もあるというデメリットもあります。さらにふたり以上で使用する場合、コイルの連結構造によって、寝返りによる揺れやきしみが伝わりやすいため、一人での使用により適しています。
ポケットコイルとの違い

ボンネルコイルマットレスとポケットコイルマットレスの違いについて、以下の表にまとめました。
ボンネルコイルマットレス | ポケットコイルマットレス | |
体の支え方 | コイルが連結されており、面全体で体を支えます。硬めの寝心地で、体が沈み込みすぎず、安定感があります。 | コイルが一つ一つ独立した袋に包まれており、点で体を支えます。体の凹凸に合わせてフィットし、包み込まれるような寝心地です。 |
体圧分散性 | 体圧が分散されにくく、体重が集中する部分(腰やお尻など)に圧力がかかりやすい傾向があります。 | コイルが独立して沈み込むため、体のラインに沿って体圧が分散されやすいです。特定の部位への負担を軽減します。 |
通気性 | コイル同士の間に広い空間があるため、非常に通気性が良いです。湿気がこもりにくく、衛生的です。 | コイルが不織布の袋に包まれているため、ボンネルコイルよりは通気性が劣る傾向がありますが、一般的なマットレスとしては通気性は確保されています。 |
耐久性 | コイル全体で負荷を分散するため、比較的へたりにくく、耐久性が高い傾向があります。 | コイルの品質(線径、コイル数、鋼材など)に依存しますが、一般的にへたりにくく、耐久性は高いです。特に高密度なものは長持ちします。 |
きしみ音 | コイルが連結されているため、経年劣化によりきしみ音が発生しやすい傾向があります。 | コイルが独立しているため、きしみ音は発生しにくいです。静音性に優れています。 |
どちらのマットレスも一長一短があるので、ご自身の寝姿勢、体型、睡眠に関する悩み、そして予算を考慮して選ぶことが大切です。可能であれば、実際に店舗で両方のマットレスに寝てみて、寝心地を比較検討することをおすすめします。

ボンネルコイルマットレスが向いている人
ボンネルコイルマットレスは、以下のような方におすすめです。
- 硬めの寝心地が好みの人
全体で体を支えるため、しっかりとした硬さがあり、体が沈み込みすぎない感覚が好きな方に適しています。
- 寝返りをよく打つ人
適度な反発力があるため、少ない力でスムーズに寝返りが打て、寝返りによる血行促進や体の歪み防止を重視する方に向いています。
- 通気性を重視する人
コイル間の空間が広いため、湿気がこもりにくく、汗をかきやすい方や、マットレスの衛生面を気にする方におすすめです。
- 比較的予算を抑えたい人
ポケットコイルに比べて製造コストが低いため、手頃な価格で購入できる製品が多いです。
- 一人で寝る人
横揺れや振動が伝わりやすい特性があるため、パートナーの動きを気にせず眠れる一人寝の方に適しています。
- 体重が重めの人
体を面で支えるため、体が深く沈み込みすぎず、安定したサポート力を求める方に向いています。
ポケットコイルマットレスが向いている人
ポケットコイルマットレスは、以下のような方におすすめです。
- 柔らかく体にフィットする寝心地が好みの人
コイルが独立して体の凹凸に合わせて沈み込むため、包み込まれるようなフィット感を求める方に最適です。
- 体圧分散性を重視する人
点で体を支えることで、腰や肩など特定の部位への圧力が集中するのを防ぎ、体への負担を軽減したい方に適しています。腰痛や肩こりに悩む方にも選ばれることが多いです。
- 二人以上で寝る人
コイルが独立しているため、隣の人の寝返りや動きが伝わりにくく、お互いの睡眠を妨げにくいのが大きなメリットです。
- 横向き寝が多い人
肩や腰などの突出した部分がマットレスに沈み込みやすく、自然な寝姿勢を保ちやすいため、横向き寝が多い方に特に向いています。
- 静音性を重視する人
ボンネルコイルに比べてきしみ音が発生しにくいため、静かな睡眠環境を好む方におすすめです。
ボンネルコイルマットレスのメリット

ボンネルコイルマットレスは、スプリング(コイル)が連結されている構造を持つマットレスで、以下のようなメリットがあります。
通気性に優れている
風が通りやすい構造をしているため、通気性に優れていることが大きな特徴です。ボンネルコイルは複数のコイルが連結された構造になっており、コイル同士の間に空間があるため、マットレス内部の空気が循環しやすくなっています。
この通気性の良さにより、睡眠中にかく汗や湿気がこもりにくく、マットレス内部が蒸れにくいため、カビやダニの発生を抑制する効果も期待できます。特に日本の高温多湿な環境では、この通気性の良さは快適な睡眠環境を維持する上で重要な要素となります。

耐久性が高い
耐久性が高いこともメリットのひとつで、体格がよい人が使いやすいマットレスとされています。ボンネルコイルは複数のコイルが連結された一体構造となっているため、荷重が分散されやすく、一部のコイルに過度な負担がかかりにくい設計です。この構造により、長期間の使用でも形状を保ちやすく、へたりにくいという特性があります。
また、コイル自体も硬めに設計されているため、重い体重にも耐えられる強度を持っており、体格の良い方でも安心して使用できます。
寝返りしやすい
硬めのコイルなので、寝返りが打ちやすいという特徴があります。ボンネルコイルマットレスは面で体を支える構造のため、体が必要以上に沈み込むことがなく、適度な反発力を持っています。この反発力により、寝返りを打つ際に体を起こしやすく、スムーズな寝返りをサポートします。
寝返りがしやすいということは、睡眠中の血流を良好に保ち、体の一部に圧力が集中することを防ぐため、より質の高い睡眠につながります。特に活発に寝返りを打つ方や、柔らかすぎるマットレスで寝返りがしにくいと感じている方には大きなメリットとなります。
ボンネルコイルマットレスのデメリット

ボンネルコイルマットレスには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解しておくことで、マットレス選びの際に後悔しないための判断材料になります。
体圧分散性に劣る
コイルが硬いことで体圧分散がされにくいというデメリットがあり、体格によっては腰や背中に負担がかかる場合もあるとされています。ボンネルコイルはコイルが連結されており、マットレス全体で面として体を支える構造のため、体の凹凸に沿って個別に沈み込むことが困難です。
このため体重が集中するお尻や腰、肩甲骨などの部分に圧力がかかりやすく、これらの部位に痛みを感じたり、血行不良を引き起こしたりする可能性があります。特に体重の軽い方や、体の曲線がはっきりしている方にとっては、この体圧分散の不足が睡眠の質に影響を与えることがあります。
横揺れが伝わりやすい
コイルの連結構造によって、寝返りによる揺れやきしみが伝わりやすいことが大きなデメリットです。またバネが連結されているため一カ所が沈むと全体的に沈むので、二人で寝ている場合、寝返りの振動が隣で寝ている人に伝わってしまうという特徴があります。
コイルがすべて繋がっているため、マットレスの一部に力が加わると、その振動がマットレス全体に伝わりやすく、パートナーが寝返りを打ったり起き上がったりする際に、その動きがダイレクトに伝わり、お互いの睡眠を妨げてしまう可能性があります。このため一人で寝られる方におすすめとされており、二人以上で寝る場合には大きなデメリットとなることが多いです。
フィット感に欠ける
ボンネルコイルマットレスは体全体を均一に支える構造のため、体の自然なS字カーブに完全にフィットしにくいという特性があります。面で体を支える特徴があるため、個々の体型に合わせて柔軟に変形することが難しく、特に横向き寝の方にとっては肩や腰が十分沈み込まず、不自然な姿勢になりやすいことがあります。
体の凹凸に沿ってマットレスが沈み込むポケットコイルとは対照的に、ボンネルコイルは硬めの均一な支持面を提供するため、体型によってはフィット感の不足を感じる場合があります。この特性により、体重の軽い方や細身の方には特に不向きとされることがあります。
マットレスを探すなら日本橋西川がおすすめ
マットレス選びにおいては、ボンネルコイルマットレス以外にも様々な種類があります。ポケットコイルマットレスはもちろん、ウレタンフォームを使用したノンコイルマットレス、ファイバーマットレス、ラテックスマットレスなど、それぞれ異なる特徴と寝心地を提供しています。
自分の体型や睡眠スタイル、予算に合った最適なマットレスを見つけるためには、豊富な選択肢の中から比較検討することが重要です。マットレス選びでお悩みの方は、長年の歴史と信頼を持つ日本橋西川をおすすめします。専門知識を持ったスタッフが、あなたの睡眠に関する悩みやご要望をしっかりとヒアリングし、最適なマットレスをご提案いたします。質の高い睡眠で、毎日をより充実したものにしていきましょう。
